宮沢賢治ワールド【花巻・盛岡】

旅行・おでかけ

宮沢賢治の世界をたずねてきました。

宮沢賢治との縁

今回の岩手旅行の目的の一つは、宮沢賢治関連の施設を訪ねることでした。

旦那の母が宮沢賢治のファンで、旦那の名前は賢治から一文字もらってつけられました。

そんなわけで、いつかは賢治が生まれ育った岩手を訪問したいと、旦那はずっと思っていたようで、このたびやっとそれが叶ったというわけです。

わたしのほうは、宮沢賢治といえば、いくつかの有名作品はもちろん知っていますが、そんなに思い入れがあるわけではありません。

それでも、ひとつだけ賢治に関する思い出があります。

小学生のときに父にはじめて県立図書館に連れていってもらったとき、あまりの蔵書の多さになかなか本が選べなかったわたし。

一時間ほど悩んだあげく、手に取ったのは「セロ弾きのゴーシュ」でした。

これも何かのご縁だったのかもしれませんね。

【盛岡】啄木・賢治記念館

賢治は盛岡の中学校、高等農林学校に通っていたので、盛岡市には宮沢賢治関連の施設があります。

「もりおか啄木・賢治青春館」↓ 明治期竣工の銀行の建物。

石川啄木は中学の先輩で、啄木に影響を受けて賢治も文学に興味をもったそうです。

この記念館の展示では、啄木・賢治の青春時代が詳細に紹介されています。

わたしは両者とも、わりと苦しい生活をおくっていた方、というイメージを勝手にもっていましたが、どちらも生まれや育ちは裕福で、若い頃から演劇や音楽、文学に親しんでいたようです。

食べていくのに精一杯の環境では、やはり文学を生み出す余裕なんてないのかもしれませんね。

↑記念館内の喫茶コーナー。

こちらでは美味しいお茶をいただきましたが、盛岡でお茶といったら、緑茶ではなくウーロン茶のような茶葉を発酵させたものがスタンダードみたいです。

緑茶を栽培するには気候が適していないのですね。

街中にも銅像や句碑が点在しています。

↓こちらは、「注文の多い料理店」を出版した光原社。

【花巻】宮沢賢治記念館

賢治の出生地は現在の花巻市。

宮沢賢治記念館・イーハトーブ館・童話村など、いくつかの施設が一か所に集まっています。

わたしたちは3館共通券を購入しましたが、宮沢賢治記念館だけでよかったかも。

イーハトーブ館や賢治の設計した花壇のある「ポランの広場」は無料で見られますし、童話村も「賢治の学校」と呼ばれる建物内以外は無料でした。

記念館入口のベンチ。歩いているそばからどんぐりの実がコツンコツンと落ちてきます。

宮沢賢治記念館の展示は素晴らしかったです。

「科学」「芸術」「宗教」「宇宙」「農」の5つの世界から構成される賢治の世界観がわかりやすく紹介されています。

宮沢賢治は、好奇心旺盛で、ジャンルを問わず博識だったことがよくわかります。

さらに、何かにはまると、とことんのめりこみ、岩石や浮世絵のコレクターでもあったみたいです。

また、思い立ったらすぐに行動にうつす人でもあったようですね。

「ポランの広場」 

きもちよい風が吹き抜ける花壇は、イギリスを感じます。(イギリス行ったことないけど)

実際に賢治はイギリスから植物の種を取り寄せたりしていたそうです。

そういえば、盛岡の料理はイギリス料理っぽいかもしれません。シンプルな素材の味に、自分で塩コショウなどの調味料を加えて食べる感じです。

童話村の賢治の学校。(こちらは有料区間です)

賢治がジャンル関係なく縦横無尽に活動する感じは、現代の北野武さんや所ジョージさん、タモリさんのようだな、と思いました。面白い人だったんですね。

【花巻】イギリス海岸

実は、わたしが宮沢賢治関連スポットでいちばん楽しみにしていたのは、このイギリス海岸です。

ブラタモリで、このあたりの河原で石ひろいをしているのを見た記憶があったので、どんな石があるのかな?と。

北上川中流のこの場所を賢治がイギリス海岸と命名したのは、川底の泥岩がイギリスのドーバー海峡で見られる地層に似ていたからだとか・・。

現在は、ダムが整備された影響などで、水量が安定しているので、なかなか底面が露出することはないそうです。

ただ、毎年9月の賢治祭にあわせて、水量を調節し、イギリス海岸が復活するらしい。

今年はあいにく直前に大雨が降って、この企画は中止になったようです。

企画元は花巻市の「賢治まちづくり課」。

一人の有名人が、町おこしにこんなに貢献するなんて、大谷翔平さんレベルですね。

イギリス海岸のベンチでおにぎりを食べました。

泥岩は見えなくても、どことなくイギリスっぽい? 

賢治がいた空間に滞在できて、これでも充分満足しました。

あまり時間がなかったので、ブラタモリのロケをしていた河原は結局みつけられずじまい。北上川の石拾いは次回来たときの楽しみにとっておくことにします。

さて、この秋~冬は宮沢賢治の作品を改めてゆっくり味わいたいと思います。

↑賢治の家を復元した建物 花巻農業高校構内にあります

↓花巻市は道がまっすぐで、北海道の道のように運転しやすかったです。

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