最近「HSP」という言葉を初めて聞きました。HSPとは、「Highly Sensitive Person」 の略で、「とても繊細な人」とうい意味だそうです。どうやらわたしはこれに該当するのでは、と思っています。
「HSP=繊細さん」という概念
先日図書館の心理学のコーナーでたまたま見かけた「繊細さん」という本。タイトルが気になって、手に取ってみました。
HSP専門カウンセラーの武田友紀さんという方が書かれた本です。HSPはアメリカの心理学者によって提唱されている概念で、日本では「とても敏感な人」「敏感すぎる人」と訳されています。しかし、ご自身もHSPである著者の武田さんは、親しみを込めて「繊細さん」と呼んでおられるそうです。
繊細さんは、人いち倍たくさんのことを感じ、深く考えてしまうため、大変な面もあるそうです。しかし、その反面、繊細な感性を通して毎日の小さな「いいこと」にもよく気づき、幸せも感じやすいとのこと。
わたしが抱える繊細さんな面

わたしは外部の刺激にとても敏感なところがあります。自分ひとりで過ごしていたら、もしかしたら気づかなかったかも、という程度のものですが、夫や息子とはどうも感覚が違うな、とかねてから思っていました。そしてこの本を読んで、あ、わたしはまさに繊細さんなんだ、と腑に落ちました。
どんなところが繊細なのかというと、まず、いわゆる身体的な五感に関することが挙げられます。
・暑さ、寒さにとても弱い
・強い光が苦手(直射日光やテレビ・スマホの画面など)
・臭いに敏感(臭いの強い洗剤や化粧品などは苦手)
・カフェインに敏感
・痛みにめっぽう弱い
・音に敏感(袋菓子を開ける音や、バイオリンの高音や女子アナの高い声が苦手)
また、人の気持ちを必要以上に深読みするので、対人関係ですごく疲れます。たとえば、この人今すこしイラッとしたな、とか退屈そうにしているな、とか口ではこう言っているけど本心は違うな、とかいう雰囲気をビシビシ感じとってしまいます。
外食をしても、必要以上に気疲れします。「店員さんが今忙しそうだから注文はもうちょっと待とう」とか、「混んできたからはやく食べ終わって、もう出なくっちゃ」などと勝手に気を遣ったり、隣の席の小さい子供がぐずっていたら、話しかけてあやしてみたり・・・。とにかく頼まれてもいないのに、気を回しすぎてしまいます。
いろいろ気が付くことには、もちろんよい面もあります。
人の性格や気持ち・行動パターンが見えるので、あの人とこの人は気が合いそう、とか、この案件は誰に頼めば快く引き受けてくれるのか、などがわかります。だから恋愛相談を受けたり、仕事上のキーパーソンをみつけるのは得意です。
また、旅行などに行くと、行く先々で違う文化に触れて、100個くらい新しい発見や学びがあるので、とても楽しめます。
繊細さんを見分けるテスト
繊細さんの本には、自分がHSPに該当するのかどうかをセルフチェックできる簡単な診断テストがのっていました。
たとえば、
・ミスしたり忘れ物したりしないよういつも心がけている
・すぐに驚いてしまう
等々。
全部で二十数項目ありましたが、そのうち、わたしに該当するものは19項目もありました。
ところが、息子に同じテストをしてみたら、なんとたったの4項目!
なるほど、これで納得しました。息子は家族が喋っていたり、テレビがついているリビングやダイニングでも平気で勉強できるのです(わたしには絶対ムリ!)。また、学校では、本人はボーッとしていても、周りの友人たちが気をきかせていつもフォローしてくれるので、なんとかトラブルなく過ごせているようです。
テストの項目が気になる方は、ぜひ本でご覧になってみてください。
繊細さんはどうすれば生きやすくなるのか?
繊細さんの本には、HSPで生きづらいと思っている人の解決策も提示されています。
・機嫌の悪い相手に遭遇したとき
→テレビの向こうの人だと思う
・気をきかせて先回りしすぎない
→頼まれてから行動する
・配慮が足りない人が周りにいたら
→配慮が足りない=意地悪ではない 配慮できるかは個人差がある
などなど。わたしには役立つことばかりで、とてもありがたいです。
繊細さんが存在する意義

HSPであることは、さほど特別なことではないようで、全人口の15〜20%はがこれにあたるそうです。
これはわたしの私見ですが、人類を一生物ととらえたときに、やはり繊細さんは20%程度は必要なんだと思います。外敵が近づいているのに、目の前のことに集中しすぎて、まわりに気を配らない人ばかりだと、人類はとっくに滅亡しているでしょう。だから、わたしのように見張り役的な人が存在して、人類を危機から守っているのです。
今後は自分のこの特性と上手に付き合い、少しは人の役にも立てるといいな、と思います。



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