子供の伸ばし方 〜棋士・藤井総太の師匠に学ぶ〜

子育て・勉強法・お金教育

今や将棋ファンでなくともその名を知らない人はいないという、棋士の藤井総太さん。同年代の息子をもつ親として、どう育てたらああなるのか?ということにとても興味があります。師匠である棋士の杉本昌隆さんの書籍からそのヒントを探ってみることにしました。

藤井総太プロフィール

いちいおう簡単に藤井さんのプロフィールをご紹介します。

2002年生まれ 現在19歳! 愛知県瀬戸市在住

2016年の14歳2か月のときに史上最年少記録を更新し、プロ入り

その後も数々の最年少記録を更新しつつ、2021年10月現在プロ入りちょうど5年ですでに将棋界の8大タイトルのうち3つを保有 今年3つめのタイトルを奪取した際には、段位も最高の九段に昇段(プロ入り直後は四段からスタートする)

と、かなりざっくりすぎるプロフィール紹介ですが、ここまでの経歴はとにかく記録づくしで、ここには書ききれません。将棋の棋力は「レーティング」という言葉で表されることがあるのですが、現在は藤井さんが全棋士の中でレーティングトップなので、人気・実力併せて名実ともに、すでに最強の棋士だと思います。また、今後、最短2年で羽生善治さんのように全タイトル制覇する期待も高まっています。

プロ棋士をもうならせる藤井さんの魅力

将棋をほとんど知らないわたしが藤井さんを知ったのは、もちろんテレビのニュースでした。親戚からうちの息子と中学生の頃の藤井総太さんがそっくり、と言われ、注目して見ていたら、どんどん強い相手をなぎたおしていくさまが小気味よくて、すっかりファンになってしまいました。

わたしのようにミーハーないわゆる「観る将」と呼ばれるファンだけでなく、藤井さんの将棋はプロの先生方からも常に注目されています。棋士の藤井さんに対する過去のコメントから一部をご紹介すると・・・

・プロ棋士でも気づかない手を指す
・藤井将棋には華がある 見ていて楽しい将棋
・攻めと受けのバランスが素晴らしい
・敗勢でも起死回生の手を探す

などなど。プロの先生方も藤井さんの対局は注目して見ておられるようです。

また、藤井さんが四段デビューした5年前は、ベテラン棋士はまだまだ当分対戦する機会がないと思って油断していたようです。(四段の棋士は、どんな棋戦でも予選をすべて勝ち上がって本戦へすすまないと、強豪棋士と対局するチャンスはなかなかない)

渡辺名人の奥様が描かれているマンガ「将棋の渡辺くん」の中で奥様が名人に

「中学生棋士としてデビューした藤井さん(渡辺名人も中学生でプロ入りした)についてどう思う?」

という質問に対して、名人は、

「世代がひとまわり違うから、別に脅威には感じない」

というようなことをおっしゃっています。それが4年後の2020年には「棋聖」というタイトル戦で戦い、見事藤井さんが渡辺さんからタイトルを奪取されています。

また、豊島竜王も2〜3年前のインタビューで

「5年後、10年後に藤井さんがいちばん強いときに戦いたいので、自分もそれまでは頑張る」

というようなことをおっしゃっています。その時点では、まさかたった1〜2年藤井さんがここまで強くなって、タイトル戦で戦うとは想定外だったようですね。

師匠の藤井さんへの接し方

ものすごいスピードでどんどん強くなり続けている藤井総太さんですが、師匠である杉本八段はいったいどんな指導をされていたのでしょうか?

杉本師匠の著書 弟子・藤井総太の学び方

によると、師匠といえどもこの子の才能を伸ばすには、「藤井君の将棋には自分が下手に口を出さないほうがよい」、と思われていたそうです。そのかわり、藤井さんが将来戦うことになるであろうプロ棋士と対局の機会をたびたびセッティングし、プロの将棋を直に感じられる環境を整えてあげていたそうです。

また、杉本師匠は「師匠に威厳はいらない」ともおっしゃっています。将棋に関しては師匠も兄弟子もない。言いたいことは遠慮せず、自由に言ってもいい、という方針で、実際の勉強の場でもなんでも言いやすい雰囲気をつくっておられたそうです。

藤井さんのご家庭の教育方針

藤井さんのご家族も、子供の好きなように自由にのびのびとさせる、という教育方針で、息子の夢中になる遊びには大人もつきあってとことん遊ぶような、こどもの成長を温かく見守るご家庭だったようです。

特に、子供が何かに夢中になっているときは邪魔をしないようにしよう、と心がけておられたそうです。将棋とは無縁のご家族だったようで、子供の将棋の内容には一切口を出さなかったところも、藤井さんが自力でとことん考え抜く環境に恵まれた一因だと思います。

また、藤井家では子供が望めば、将棋の大会へどんどん参加させ、強い相手と指せる機会をつくってあげておられました。藤井少年は将棋に負けたときに大泣きするのが常でしたが、お母さんはそれを一切叱らなかったそうです。悔しさを前面に出すことを無理に我慢させず、挫折と浄化と再起を何度も繰り返し経験したことで、藤井少年が短期間で強くなっていったのではないか、と師匠はおっしゃっています。

子どもを伸ばす育て方の極意 まとめ

師匠やご家族の藤井さんへの接し方をみていると、子供を伸ばす大人の役割は以下のようになるのではないでしょうか。

・多くの経験をさせて子供が興味をもつことを探る
・子供が夢中になっていることに、余計な口出し、手出しはしない
・子供の気持ちによりそう
・子どもが興味をもったことにとことんのめりこめる環境を用意する

小さい頃からこういう環境で育った子供は、杉本師匠がおっしゃっている以下のような力が育っていくのだと思います。

・大好きなものや熱中できるものをみつける
・思考力・集中力・忍耐力・想像力を養う
・闘争心・冒険心・自立心・平常心を身につける
・気持ちを切り替えたり発想を転換したりする

杉本師匠は、藤井さんの学び方は 将棋だけでなく「人生をより豊かに生きていくうえで必要な学び」とおっしゃっています。なので、一般家庭や教育現場でも、取り入れていけるのではないでしょうか。

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